美容という視点で治療する

幅広い治療ができる
従来皮膚に関するトラブルで受診するなら、皮膚科が主流でした。しかし、世間の美意識の高まりを受けて、近年、美容皮膚科という標榜科目が増えています。皮膚科は基本的に保険治療のみを行っており、例えばニキビの治療で受診した場合は、ニキビが治り次第治療は終わるのが一般的です。一方、美容皮膚科では皮膚をきれいな状態に持っていくところまで視野に入れているため、ニキビ跡のケアも行うことができます。美容皮膚科ではレーザー機器やケミカルピーリング剤などを用意して、その人の肌の状態を見て最適な方法を提案してくれます。また、ニキビができやすくて悩んでいる人向けに、日常で使う洗顔剤や化粧品なども販売していることが多いです。ニキビだけでなく、皮膚悩みで多いシミやしわ、毛穴などのトラブルにも対応しています。レーザー機器を導入しているクリニックがほとんどのため、医療脱毛を行っているところも少なくありません。薄毛相談を受けているところでは、育毛剤などの処方を行っています。あらゆる皮膚トラブルを、美容という観点で対処、予防していくのが診療の特徴です。化粧品にしても育毛剤にしても市販品を購入することはできますが、科学的エビデンスに基づいた化粧品や薬剤、機器を用いているのが、医療機関ならではと言えます。皮膚の見た目を重視して治療したい場合は、美容皮膚科は第一選択の医療機関と言えます。クリニックを選ぶ際は、立地条件や料金なども気になりますが、理念や方針なども気にしたいところです。ドクターが一番知りたいことは、患者さんのケア履歴です。セルフケアだけ行ってきたのか、それともフォト施術やレーザー治療、注射治療は受けたことがあるのかなど、ケアの履歴次第でおすすめの治療法が違ってきます。それに一人一人肌の状態や質が異なるので、どんなに良いと言われる施術であっても万人に合うわけではありません。肌をしっかりと診察して個々に最適な施術を提案してくれるクリニックを選びましょう。特に初回のカウンセリングが丁寧か否かというのは注目ポイントです。カウンセリングでは、施術内容と料金の説明などを行ってくれます。自由診療では料金に納得した上で治療に入りますから、納得できない場合はカウンセリングのみで帰っても構いません。それから、施術を行うのが美容に精通した熟練のドクターであるのが理想です。質の高い治療機器であっても、使用する人によって結果が変わることがあるので注意したいところです。また、美容皮膚科で使用されている治療機器はほぼ海外の正規販売店からの購入ですが、まれに海賊版が使われています。理想の結果にならないことがあるため、正規品を使用しているかについても確認するといいでしょう。